悩み解決サークル

更新日2006620
企業管理のお悩み解決! プロ直伝の管理術

第14回 「攻めの管理、守りの管理」

マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社
取締役副社長 中山和治



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昨年から内部統制という言葉が会社をにぎわしています。最近では様々な会社の不祥事によって、我々一般消費者や株主が被害にあうことが目に付きます。たとえその原因が一社員のミスであっても、そもそも会社という組織のミスですから、その責任は会社にあるのです。

ゆえに会社は「一社員のことであれしっかりその活動、行動を記録、監視しなさい、"知りませんでした"は通用しませんよ」というところから生まれてきたのが、内部統制の始まりです。

企業は様々な活動を通して市場に製品やサービスを提供し、その見返りとして金銭を受け取ります。また企業は外部から製品やサービスの提供を受けています。そんな環境の中で企業は"存続"と"発展"を計っていかなければならないのですが、そのためには適切な経営管理を行っていく必要がある、といえます。

冒頭に述べたように不祥事を起こした企業は、株主からも見放され、消費者からも見放されることになり、存続が危ぶまれるのは言うまでもありません。

つまりその存続のために、不祥事と呼ばれることが起こらないように、品質面、財務面、法規遵守の面、業務管理面などでしっかりとした内部統制をしていく必要があるでしょう。
また、現在業績を伸ばしている企業でも、来年はその保証の限りではありませんので、成長し続けるための戦略が必要になるでしょう。


ただこの2つ、@しっかりとした活動のサポート、A成長し続けるための戦略は、漠然と"管理する"という言葉で括られがちです。しかしながら、この2つを管理することは当然方向性の違う管理が要求されることはお分かりいただけると思います。

私は@を守りの管理(ディフェンスマネージメント)、Aを攻めの管理(オフェンスマネージメント)というようにカテゴリ化し、その方向性を取り違えないよう日ごろから、顧客へ伝えています。

何か新しい取り組みを行うとき、それが攻めのためか、守りのためかの方向性を間違えると、その取り組みはうまく成果が出せなくなります。

私が考える攻めの管理と守りの管理についてここでご紹介したいと思います。


●攻めの管理(オフェンスマネージメント)

基本的には売上げ拡大、リソース拡大、方針・戦略変更など、現状の活動・現状のリソースではなく、別の新しい方向性を目指すことを目的とします。

つまり新製品の開発、従業員の増員、生産ラインの追加、宣伝広告など、リスク先行でリターンを得るための管理といえます。このような管理は、基本的にハイリスク、ハイリターンであり、そのマネージメントには論理的部分以外の経験などの能力や判断力を求められることが多いでしょう。

例えば、新製品を開発し、それを広告・宣伝によって売上げの拡大を目指す際には、どのような製品が求められているか、どのようなデザインがよいか、どのような宣伝が良いかなどの一連の方向性を決め、それを実践するわけです。しかし、その結果にはどんな場合でも"計画通りには売れないかもしれない"というリスクを伴います。

それでも、こういった攻めの管理(オフェンスマネージメント)は企業成長のためには必須であるのです。


●守りの管理(ディフェンスマネージメント)

基本的には現状のリソース、現状の売上げを前提に、改善・改革を行い、効率向上やコストダウン、スピードアップ、在庫最適化などを図るための管理です。

これにはデータの収集や分析、改善策の立案など論理的な管理が求められます。だだし、その効果は確実なものになることが多いでしょう。

例えば、企業活動の中で、販売と生産のコミュニケーションが悪く、無駄な生産をして在庫を抱えている場合、その改善方法は論理的に簡単に導き出すことができます。情報の共有やMRPの手法を取り入れて、無駄な生産は行わないようにすることが一般的な方法でしょう。

上記の説明は堅苦しい表現になっていますが、みなさんもこれまでの経験からおおよそ想像がつくのではないでしょうか?

大切なことは、ある取り組みをしたときに、それを達成するためには、攻めの管理、守りの管理のどちらが必要なのかを取り違えないで行うということです。

特に企業へのシステム導入は、どちらなのかが曖昧なケースが多く見受けられますので、そのプロジェクトのゴール設定にはくれぐれも、格好をつけずに、やるべきこと、出来ることを目標にしましょう。
守りを意識した管理は非常に地味なものになりますが、反面その成果は確実なものです。内部統制がいい例ですが、それがちゃんと出来てないと成長はできない、つまり攻めの管理は出来ないというが一般的な考え方です。

キャッチボールの基本が出来ていないチームは野球が強い訳はないですよね。企業の管理もそれと同じで基本は大事なのです。
企業活動以外にも身の回りで同じようなことがあると思いますので考えてみてください。




中山和治 プロフィール

1968年生まれ。1991年に外資系タイヤメーカーに入社し、IE(インダストリアル・エンジニアリング)をベースとした社内コンサルティング部門に所属。以後工場内のレイアウト、機械/作業研究、在庫保管場所設計、JIT方式導入、工場内物流のデザインをなど担当。
その後物流部門にて、国内物流設計、営業所在庫配置基準設計意などを担当。
1996年にSAPジャパンに入社。生産管理コンサルティング部門所属。2001年よりSCMコンサルティングマネージャーになる。

2006年4月:マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社を設立。
取締役副社長に就任。


<コンサルティング実績>
重工業、電気メーカー、電子機器メーカー、食品メーカーなど製造業システム導入および業務改革,システム活用改善など。
SCM(サプライチェーン・マネージメント)診断、ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)活用診断の実施。

<マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社のサービス>
ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)の有効活用を基本とした、コンサルティングサービスを展開します。
日本企業のERP導入に関して、その効果を見出せていないという不満を解消すべく、ERPの導入目的、人材教育、実際の活用状態、改善ポイント、改修プロジェクトの仕切りなどを請負うコンサルティング会社です。
今後日本における製造業のサプライチェーンを中心としたマネージメント方法の課題に着目し、コンサルティングを行っていきます。

<会社概要>
名称マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社
所在地東京都中央区日本橋富沢町5-3 I.B日本橋ビル303
資本金1000万円
代表代表取締役社長 巻幡雄毅
事業内容:経営コンサルティングを中心とした会社運営、および業務の合理化、効率化のサポート