●
更新日
2006
年
10
月
11
日
●
第19回 「納期の遵守について」
マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社
取締役副社長 中山和治
前回(第18回)のコラムで
「約束できる業務」
について述べました。けっきょくこれが行き着く先は
「顧客への納期遵守」
へとつながることになります。
顧客への納期遵守という業務管理の姿勢は、総論としては誰に聞いても同意する話しだと思います。
しかし、それを実行するためのやり方を細かく具体的に詰めていくと、賛否両論が起こってくることがよくあるはずです。
それは受注や製造、納品など、それぞれの担当部門で納期遵守ついての考え方が微妙に食い違っていることが原因となっている場合が多いのではないでしょうか。
まずここでその問題を整理するために、納期遵守は2つの要素があることをまず確認しておきましょう。
上記の図のとおり、
「顧客への納期遵守」
と言っても@とAの両方を実現できてこそ、初めて顧客の希望納期を100%満足させることが可能になります。
ただし@とAはマネジメントの視点で方向性の異なるものであることを認識してください。
以下にこの2つの違いについて解説してゆきます。
@回答した(約束した)納期を遵守すること
顧客からの要求数量を納品するには、「いつだったら約束できます」という回答と、それを遵守する実行力、および確実に実行でき結果を出すこと意味します。
それを実現するには以下の要素が必要になります。
1.日程を約束できる正確な計画立案
2.正しい計画情報の共有
3.計画通りに製品を仕上げる実行能力
4.計画通り進捗しているかどうかの監視と遅れている場合の処置
この4つは外部の要因にはまったく左右されない、いわば社内の管理能力の高さが問われるものと言えるでしょう。
簡単に言えば、「Plan-Do-Check-Action」の管理方程式の基本がちゃんと出来ているかどうかということなのです。
A顧客の希望納期を満たす納期回答を行うこと
これは顧客からの注文に対して、要求数量や納期を満たすだけの十分な在庫または生産能力および、生産に必要なだけの材料を持っていることが前提となります。
しかし、すべてにおいてそのような状態を保つということは、いつ売れるかも分からないような製品であっても常に生産できる準備を整えておくという、ある意味自社で大きなリスクを抱えるということにもつながります。
簡単にいうとすべての注文に対して納期を遵守できるだけの資源(在庫、能力)は準備しておくということですので、あまり現実的ではありません。
希望納期を遵守するためには
そうなると、最初の図に示したように顧客の希望納期を100%遵守するには、ある程度の前提条件が必要になってくるわけです。
要するに顧客の注文に対して100%納期を遵守するためには、こちらから顧客に要求する条件も必要になってくることになります。
それはいったいどのような条件になるのでしょうか?
製造業であれば「購買」、「生産」、「物流」、「営業」という業務があるでしょう。
それらの連係によって製品を顧客に納品できるわけです。常に隣の部門に自部門の成果を渡してゆくバトンリレーをしているわけです。
その活動の中で、皆さんの業務で隣の部門(次工程)からの要求を常に満たすためにはどのような条件がそろっていればいいかを考えてみてください。
例えば以下の条件だったらどうでしょうか?
A 確定した注文を出す以前に、計画を立て、それを公開(共有)して欲しいということ
B その計画の誤差は一定範囲でぶれないこと(一定範囲を超えた場合は遵守できない)
Aをどれだけ前に共有しておくかについてはいろいろ議論はあるでしょうが、これによって事前に十分な準備できることになります。
またBのように計画のブレ(狂い)がどれだけ許容できるかは、サービスレベルの問題になりますが、どんなにもブレても大丈夫というわけにはいかないでしょう。
上記のような基本的な合意事項を明確にし、サービスレベルを定義しておくことが顧客満足を向上させる要因となるのではないでしょうか?
皆さんの日々の業務では納期を守るために、このような基本的な合意事項がありますか?
「企業管理のお悩み解決! プロ直伝の管理術」についてのご意見、ご感想、
またはあなたの会社の業務管理上の悩みなどございましたら
↑↑↑
からお願いします。
中山和治 プロフィール
1968年生まれ。1991年に外資系タイヤメーカーに入社し、IE(インダストリアル・エンジニアリング)をベースとした社内コンサルティング部門に所属。以後工場内のレイアウト、機械/作業研究、在庫保管場所設計、JIT方式導入、工場内物流のデザインをなど担当。
その後物流部門にて、国内物流設計、営業所在庫配置基準設計意などを担当。
1996年にSAPジャパンに入社。生産管理コンサルティング部門所属。2001年よりSCMコンサルティングマネージャーになる。
2006年4月:マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社を設立。
取締役副社長に就任。
<コンサルティング実績>
重工業、電気メーカー、電子機器メーカー、食品メーカーなど製造業システム導入および業務改革,システム活用改善など。
SCM(サプライチェーン・マネージメント)診断、ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)活用診断の実施。
<マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社のサービス>
ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)の有効活用を基本とした、コンサルティングサービスを展開します。
日本企業のERP導入に関して、その効果を見出せていないという不満を解消すべく、ERPの導入目的、人材教育、実際の活用状態、改善ポイント、改修プロジェクトの仕切りなどを請負うコンサルティング会社です。
今後日本における製造業のサプライチェーンを中心としたマネージメント方法の課題に着目し、コンサルティングを行っていきます。
<会社概要>
名称
:
マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社
所在地
:
東京都中央区日本橋富沢町5-3 I.B日本橋ビル303
資本金
:
1000万円
代表
:
代表取締役社長 巻幡雄毅
事業内容:
経営コンサルティングを中心とした会社運営、および業務の合理化、効率化のサポート