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前回は私たちが感じるストレスには「肉体的ストレス」と「精神的ストレス」があることをお話しました。そしてその中で、私たちが生まれてきて一番はじめに感じるストレスは、母体の外に出た時の気温と湿度であると言いました。ですから、昔なら環境に順応するという意味あいで、夏に生まれた子供は暑さに強くなるし、冬に生まれた子供は寒さに強くなる傾向がありました。ところが、現代ではどうでしょうか? いまは夏に生まれようが冬に生まれようが、室内はいつもエアコンで同じ温度と湿度にコントロールされているのです。しかも、育ってくる環境でもいつもエアコンが効いている家で育つわけですから、必然的に気温や湿度のストレスに非常に弱い体質で育ってしまうのです。そのほか、物質的にも非常に恵まれた環境で育っているという一面もあります。
話はちょっとそれますが、最近よく問題になるストーカーの心理を考えてみましょう。もちろんストーカーにはいろいろなタイプがいるので、いちがいには言えない部分もあると思いますが、彼らの行動を心理的に分析すれば、基本的に自分の欲しいものはみんな手に入れられたという経験がその原点にあると思えます。たとえば、戦後生まれのほとんど人は、なにかを食べたいと思えば「お腹が空いた」と言えば食べることができましたし、寝たいと思えば寝られて、本が読みたければ本が読めて、テレビを見たければテレビが見られてというように、欲するものはなに不自由なく手に入れることができたわけです。
ところが、恋愛においては"異性のハートは買えないですよ"ということになります。それでも、それまで自分の欲しいものはすべて与えられてきた人の心理の中では、経験として自分が欲しいと思って与えられないものはあり得ないので、相手の異性に拒絶されているということが考えられないわけです。心理的に"自分が欲しいものはもらって当たり前"、"自分が好きなら相手は自分が好きになるに決まっている"といった考え方を持っているので、現実を理解できない結果としてストーカー行為に走るということになります。 話をもとに戻しますが、このように戦後生まれの世代、特に年代の若い人たちはなに不自由ない環境の中で育っているので、精神的にも肉体的にもストレスに弱い体質になってきているのです。つまり、恵まれすぎた環境の中で育っている結果として、ストレスに対する耐性が弱くなっているわけです。現状ではほとんど人が高校卒業まで、あるいは大学卒業まではいろいろな面で守られていると言えます。また、現代人の傾向として人間関係の希薄さという面もあげられると思います。以前は外に出て友達と遊ぶということで築き上げてきた他人との付き合う経験、つまり人間関係に関わるストレスの耐性というものが、室内でテレビを見たりゲームをやったりして育ってしまうので、なかなか作られにくくなっているのです。結果として、人間関係の構築が苦手になってしまうわけです。
そんな人たちが、卒業と同時にいきなりストレスの多い競争社会の中に放り出されたらどうでしょう。その社会のいろいろなストレスに耐えられない人が多くなってしまうのは、ムリもないことだと思います。ですから、現代人は自然環境や社会環境、人間関係など、いろいろなストレスに対しての耐性が弱くなってきていると言えるのです。そんな傾向は、いまの日本人はこんなにも恵まれた生活をしているのに、先進国の中ではいちばん自殺者が多いというデータにも表れていると思います。
では、私たちがストレスにどう対処していけばいいのか? 次回以降は、ストレスの蓄積から生まれる身体の不調や、その対処方法について話をすすめていきたいと思います。
青山カウンセリング・ルーム TEL&FAX03-3406-8183 http://www11.ocn.ne.jp/~aoyama/
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