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前々回、前回とお話ししてきたのは、ストレスに対して打たれ強い体質を作るためには日頃から気分転換や心のゆとり、また癒しの時間を持つことが必要だ、ということでした。要はストレスのいちばんの解消法は、ストレスの原因が特定できるのならそのストレスの原因から意識的に遠ざかればいいということだったのですが、今回はその逆で、自分からストレスの中に飛び込んでしまうようなパターンについて説明したいと思います。
元来人間は、無意識のうちにもストレスから逃避したり、解消したりしようとする本能が備わっているわけですから、その本能に逆らって自分からストレス、つまり心の外的圧力を感じるような状況を作り出していくようなことがあるのでしょうか? 私がカウンセリングを行っていて、よくそのような傾向を感じるのが子育ての悩みを抱えているお母さんです。そして、そのストレスの原因を作っているのが、意外にもお母さんの読んでいる育児書だったりするのです。ただし、誤解のないようにお断りしておきますが、私が言いたいのは育児書に書かれている内容が悪いということではないのです。
たとえば、お母さんが読んでいる育児書に、「だいたい生後7ヶ月でハイハイができるようになる」とか「12ヶ月前後で言葉を喋り出す」とか書いてあったとします。そうするとお母さんは、それが普通だと思いこんでしまって、「ウチの子は8ヶ月なのにハイハイをしない」とか「もう12ヶ月以上たっているのに言葉が出てこない」とかと悩んでしまったりすることがよくあるのです。しかし、育児書に書いてあることはあくまでも一般論で、中にはそれよりも早くハイハイをしたり喋り出す子もいるでしょうし、逆にそういったことが少し遅れてしまう子もいるという、その赤ちゃんの個体差がかならずあるので、すべての赤ちゃんが育児書に書いてあるとおりには育たないのが当たり前と言えます。ところが、子育てにあまりにも必死になり過ぎているお母さんは、そういった個体差を考える余裕がなく、「自分の子供は異常があるのではないか?」などと悩みはじめ、子育てにストレスを感じるようになってしまうのです。しかも、それがもっと進むと「この子が笑わないのは、自分のことが嫌いだからだ」とかいった被害妄想的な感情を持つような状態にまで発展してしまうこともあります。
一方では、医学書を読んだ人が、「この症状はこうすれば治る」と書いてあったことを鵜呑みにして、医学書どおりにしても治らないことが原因で深刻なストレスを受けてしまうこともあります。こういった例を考えると、私個人は育児書や医学書などに、一般論的な話だけでなく、そういった一般的なデータが当てはまらなかった例や、一般的な治療で治せなかった例なども書いておくべきだと考えます。
このほかにも、人間関係をとてもネガティブに考えてしまったり、自分の能力について否定的になってしまったり、自分の将来について悲観的に考えてしまったりして自分からストレスの原因を作ってしまうようなことは、あまりいい状態であるとは言えません。こいうったせっぱつまった心理状態にならないためには、やはりそういった悩みや問題から気分転換ができるだけの心のゆとり、心の筋力というものをふだんから鍛えておく必要があるといえるでしょう。
次回からは、もうちょっと具体的な話に入って、ストレスから生まれるいろいろな症状と、それに対する対処法について説明していきたいと思います。
青山カウンセリング・ルーム TEL&FAX03-3406-8183 http://www11.ocn.ne.jp/~aoyama/
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