妻子ある32歳病院の看護士の愛人で27歳の看護婦のA子から依頼された、彼の奥さんに対するストーカー行為の調査・・。
ストーカー(嫌がらせ)の犯人は、マンションのオートロックを解除して中にも侵入している。
さらに被害者が恐怖感を持つ事で喜んでいるように感じる。
彼には直接的な嫌がらせや被害的要素は全くない。要は、ターゲットはこの彼の奥さんである事。
彼の性的な内容の怪文書。
2人に共通する人物なのか?
2人の破綻を目的とした犯行なのか?
ただ、嫌がらせをすることで犯人が自己満足をするためなのか?
いずれにしても彼の関係者である事は間違えないようだ。
我々は、さっそく調査に取り掛かった。
【事前調査】
まず被害の状況をもう一度確認しておこう。
1.自宅ポストに投函された1通の怪文書が事の発端。 内容は性的なもので、彼を批判していた。
2.彼氏の子供の三輪車のサドルがカッターナイフのようなものでズタズタに切り刻まれる。
3.自宅のドアの鍵穴に、外からボンドを流し込まれる。
4.雨の日に被害者が外出先から帰宅後、玄関前に立てかけて置いた傘が刃物によって切り刻まれる。
5.怪文書はこの2ヶ月間、頻繁に投函され、合計26回、現在も続いている。
上記の被害内容を元に犯人にきづかれないよう被害現場を下見する。
【現場】
1.現場は、閑静な住宅街の中にあるファーミリー型マンション。オートロック式で管理人は居ない。
2.自転車置き場はこのオートロックドアの奥にある。ポストは、このエントランス玄関の右手に32戸分のポストがある。
3.被害者が住んでいるのはこの5階の一番奥にある角部屋501号。3LDKでこの部屋の前に立てば逃げようがない。
4.非常階段はエレベーターホールの横にあり各階に通じている。裏口は、専用駐車上用のドアがあり裏から出てもマンションの敷地から出るには、けっきょく表からしか出ることができない。
5.また裏には、大きなマンションが建ち目視することは不可能である。
【参考図】 |
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6.このマンションの前は比較的広い対向2車線道路に面しており、車両の駐車スペースは十分にある。
7.隣には、タバコ・ジュースなどの自動販売機が4機並んでおり、朝夕のラッシュ時には、ここを利用する車の停車が多い。
8.怪文書が入っていたポストはエントランスドアの向かって左側が一面ポストになっているので、誰でも手紙の投函は可能だ。従ってこの501号のポストに怪しい人物が近づき何かを投函することになる。
9.ポスト投函口はマンションの外にあり、ポストに入れられた郵便物はマンション内のエントランスから受け取る事になる。つまり、受取人は限られるが、差出人は不特定多数である。
我々調査員は、マンションエントランス正面(ポストが完全に見える位置)に24時間監視システムを装備。また、裏口駐車場付近にも無線で映像を送り続ける装置を配備し、調査員各1〜2名を配置した。
●1日目
張り込みは、不審者を特定するまで続行。異常は見うけけられず。
●2日目
AM 1:00 現在まで特に不審者は発見できず。
AM 4:00 依頼人より電話が入る。張り込んでいた時に不審者は発見できなかったにも関わらず、被害者宅に怪文書が投函されていた。
AM 4:05 すぐに録画した映像をチェック。見落としを防ぐために別の調査員と交代で数回チェックを入れたが、しかし不審者はこの映像内には映っていなかった。
AM 5:45 事務所に連絡。CMOS(小型カメラ)を持ってきて、マンションのエントランス内の対象ポストに向けてカメラを設置。また、同時にマンション内でも張り込みを開始する。
●3日目
AM 10:00 被害者から連絡を受けた依頼者より再び電話が入る。ビデオに不審者は映っていないにも関わらず、またも怪文書が投函されていた。なお、怪文書の発見された時刻は朝とのこと。
すぐにCMOSにて映像を確認。
昨夜のPM 22:30、被害者の奥さんがゴミ出しに出た時にポストを見ている。それ以降、被害者が怪文書を発見するまで誰もポストには触れていない。不思議なことだ。
調査についている調査員は、この手のベテランで構成され見落としはない。しかも厳重に配置した監視カメラには、怪しい人物は映っていない。
可能性があるのは、内部。このマンションの住民という事になる。
我々は、内部の者が501号のポストに近づく人物を特定するため、エントランスホール内部にある郵便物を受け取る側にカメラを設置し警戒に集中した。それでもCMOSの映像角度からは、被疑者の犯行までは特定できず。
●4日目
AM8:15 奥さんが子供を幼稚園に送るため子供と外出。その間、外部また内部においても501号のポストに近づく者は居ない。
AM8:45 奥さんが自宅マンションへ戻る。その10分後、依頼人の彼(この奥さんの旦那)から電話。
「また、今日の朝、手紙が入っていたらしい。ちゃんと視てくれているのでしょうね!」
我々が厳重に警戒しているにも関らず意図も簡単にポストに投函している。
その後、その彼に接触して今朝投函されていた怪文書を見せてもらった。
明らかに新たな怪文書である・・。
しかし・・私は、頭の中ではじけるように妙な予感がした。
その夜、いつものように奥さんが恐る恐るごみを出しに降りてきた。
私は、さっそく近くに居る調査員にそのごみ袋を特定できるよう監視させた。
ごみを出した奥さんは、急ぎ足で戻る。
奥さんが出したごみを確保するように指示を出す。
警戒は解かずに、調査員にそのごみを本部まで持ってくるよう指示した。
●5日目
ゴミ袋の中身を全部、広げどんな小さな物も見逃さないよう慎重に探る。
数時間後思わぬ方向に進む事となった。
そのゴミの中に使用済みの子供用紙おむつがあり、その中に例の怪文書の紙切れ、ミスプリントした物とカッターナイフで細かく切った切れ端が見つかった。
私は確証を取るため次のゴミ出し日を待つ事にした。
●6日目
この日、また怪文書が投函されたのを彼から確認した。
証拠をつかむために、夜になるのを待ち奥さんがゴミを出し、ポストを開き、部屋に戻るのを確認して、すぐに複数の調査員でポストの確認とゴミ袋の回収を行った。
結果、ポストにはワープロ用感熱紙で作成された怪文書が投函されており、ゴミ袋の中の使用済みオムツの中から大量に切り刻まれた ワープロ用感熱紙を発見した。
前とまったく一緒だ。
切り刻まれた感熱紙と怪文書の紙片を組み合わせると、切り口は一致し1枚のワープロ用紙に組みあがった。
よって、犯人は怪文書が投函された時刻にゴミを出しに行った被害者の奥さんという事が判明。
●7日目
依頼者を呼び、調査結果を報告。
【結論】
・この怪文書事件は、旦那の浮気に気づいた奥さんが旦那と愛人に対する仕返しの意味と愛人と手を切らせる目的で行った行為である事が判明。
・まずは依頼人と被害者と奥さんで示談に持ち込まれる事が最良であると判断。依頼者にはそうアドバイスした。
こうして意外な幕切れでこの事件の調査を終了する。
【所見】
ストーカーにはさまざまなタイプがありますが、ただ言える事は、ストーカー行為にはかならず何らかの目的があります。
誰が一番、得をするのか?という視点から考えていくと、犯人が何者なのかが見えて来る事もあります。
今村啓一朗 福岡県出身 37歳
中小企業における民事訴訟のあり方や、それに君臨する弁護士行政に疑問を感じ、自ら経営していた会社代表を辞め、探偵業界に身を投じた。民事事件に関する情報の収集と訴訟に関する証拠収集の技術を習得。業界最大手の探偵養成学校の講師のスペシャリストとして名を馳せる。
今村自ら機密調査機材として開発してきた機材は数知れず、製造した機器は、今や探偵七つ道具となっている。これからの犯罪防衛は自分で守らなければ・・自ら開発した機密調査機器をセキュリティ機器として考案。日本に唯一、一台しかない特殊調査車両の設計から開発まで自ら製造し2001年4月防犯機器会社設立に貢献した。
平成14年1月、福岡に総合探偵社MISSIONhttp://www.themissions.jp
を設立し全国でNO1の実績はTV・ラジオ・雑誌でなど数社に渡って紹介された。
平成16年3月 MC探偵学校http://themissions.jp/school/
を設立し現在までに多くの探偵を世に送り出して来た。
現在、総合探偵社MISSION MC探偵学校を始め 個人審査事業会社や
インターネットソリューションの開発・企画会社も経営。
(2005.1現在)
総合探偵社MISSION 0120−755−340 http://www.themissions.jp
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