悩み解決サークル

更新日2005428
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ストレス解消コラム「ストレス・マネージメント」 第17回
「イメージ・トレーニング前編〜マイナス・イメージから生まれる悪循環」
青山カウンセリングルーム院長 中田昭憲



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 前回はものごとをマイナス面から見ないで、できるだけプラス思考に転換していく「認知療法」という心理療法についての簡単な説明をしました。今回はそれに続いて、「イメージ・トレーニング」の話をしたいと思います。「イメージ・トレーニング」といえば、よくスポーツ選手のメンタル(精神面の)・トレーニングなどでよく聞く言葉ですが、私たちカウンセラーが行う「イメージ・トレーニング」というものは、前に説明した潜在意識と顕在意識の潜在意識の方に働きかける心理療法になります。
 たとえば、みなさんが梅干しやレモンを口の中に入れて噛んでいる状態をイメージしてください。たぶん、そういう状態を想像しただけで多くの人が、自然と口の中に唾液がいっぱい出てくるのを自覚できるはずです。しかし、すっぱいイメージで反射的に唾液が出てくるのは、単に唾液の分泌という自分が自覚しやすい部分の反応を感じているだけで、実はその人の脳からは「すっぱいものが口に入った」という信号が、身体全体に発信されているのです。なぜそうなるのかといえば、人間の脳は、実際に起きたことでも、その人がイメージしたことでも区別なく、過去の記憶や体験から同じ反応を起こす信号を出してしまうというプログラムを持っているからです。ですから、その反応を利用して、あることをイメージすることによって潜在意識がコントロールしている身体や精神のコンディションをいい方向に誘導していこうというのが、私たちが行っている「イメージ・トレーニング」の原理といえます。
 その脳の原理に関連している例として、よく精神的なプレッシャーから電車に乗れなくなってしまう人の話をしてみましょう。それはこういうことです。たとえば毎日電車で会社に通っている人が、10日後、1週間後の会議で自分の仕事上の失敗を発表しなければならない、または社長の叱責を受けなければいけない、あるいは全員から吊るし上げを食らう、もしかしたら降格人事を言い渡されるかもしれない、というようなストレスを受けていたとします。そうすると、そのストレスを受け続けることによって無意識のうちに身体に反応が起こってきてしまうのです。それが出やすい器官や症状としては、胃や腸、目や耳、心臓の動悸や頭痛などだという話は、以前にしましたが、その人の潜在意識はその会議の日に、自分にいやなことが起こるとわかっている会社には行かせたくないわけです。
 別の見方をすれば、以前からかかっていたストレスはその日に最高潮に達してしまうことになりますから、仮に通勤のために何十年間乗り続けている電車なのに、その日に限って乗っていると潜在意識が働きかけで、下痢とか過呼吸とかの症状が突発的に起こってきて、電車に乗っていられない状態になってしまったりするのです。もしそれが急行電車や特急電車であれば、なかなか駅にも止まらないわけですから、その人は途中の駅で降りることもままならずにパニック状態に陥るかもしれません。それでも途中で降りてトイレに駆け込むなどしてなんとか会社にたどり着き、しかも会議では叱責をうけてとりあえずその日は終わったとします。しかし、本人はそれが潜在意識が会社に行かせないように起こしている状態だとは、なかなか自覚できないのです。
 そして、こういうとても辛い経験をした人が、つぎの日から電車に乗れなくなってしまうようなことがよくあります。みなさんの中には、最悪の会議の日はとりあえず終わったのになぜだろう?と思う方もいるかもしれません。しかし、そのような症状は、その辛い経験が原因となって生まれてきたものと言えます。なぜなら、その日以来会社に行くために電車に乗るということが、その人には強烈なマイナス・イメージとして刷り込まれてしまうからなのです。その結果、その人は自分の中で無意識のうちにマイナスのイメージ・トレーニングを行ってしまっているような心理状態になり、電車に乗る=怖いこと、辛い体験をすること、パニックを起こすこと……などという悪いイメージに脳が反応してしまい、恐怖感から電車に乗れなくなる、または電車に乗るとふたたび下痢や過呼吸などが起こってくる、といったような悪循環に陥ってしまうからです。
 もしそんなクライアントさんが私のカウンセリング・ルームに相談に来た時は、私はそのような症状を改善するために、プラスのイメージ・トレーニングを実践してもらうように指導していきます。 その具体的なやり方については、次回に説明することにしましょう。


青山カウンセリング・ルーム TEL&FAX03-3406-8183 http://www11.ocn.ne.jp/~aoyama/