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前回は人が無意識に陥ってしまう、マイナスイメージの悪循環についてお話しました。たとえば、会社で過酷な経験をした人が潜在意識のせいで、会社の通勤のために乗っていた電車に乗れなくなってしまうというようなことです。そこで、そういったマイナスイメージの悪循環から生まれてくる症状を改善するために、私たちカウンセラーが行うのが潜在意識に対するプラスのイメージ・トレーニングということになります。つまり、良いイメージを考えることで潜在意識をリラックスさせて、悪いイメージを打ち消していこうという対処法なのです。
実際、心理療法としてのイメージ・トレーニングでは、良いイメージの設定の仕方はいろいろだと言えます。おおざっぱに言えば、海の好きな人なら大好き海をイメージすればいいわけですし、山が好きな人なら山のイメージ、音楽が好きな人なら好きな音楽イメージ、色のブルーが好きな人はブルーのイメージでもいいのです。しかし、私たち青山カウンセリングルームでは、どんなクライアントさんでもいいイメージに入りやすいという理由から、ひなびた温泉のイメージを持ってもらうように指導しています。
どうして温泉にしているのかと言えば、私たち日本人はみんな温泉好きだからです。こう言うと"私は温泉は嫌いだ!"と思う人もいるかもしれませんが、ただ日本人の温泉好きという文化はもう何百年も前から受け継がれてきたものですから極端な話、その人のDNAにも"温泉は気持ちいい""温泉は癒される"と感じる感覚が入っているはずなのです。加えて"私は温泉は嫌いだ!"という人でも、生まれてこの方お風呂や温泉に入ったことのない人はいないでしょうし、お湯に入ることで"気持ちよくなった""リラックスできた"という経験を持っていない人はほとんどいないはずだからです。
そういった日本人のならでは感覚を利用した私たちのイメージ・トレーニング法は、具体的にはこういうことになります。
まずあなたは、ある山の中の小さなバス停に1人で降り立つシーンを想像してください。とても天気にいい日です。あなたは、そこからしばらく山道を歩いていきます。すると、少しひなびてはいるけどもとても暖かみのある旅館に着きます。それから、その旅館に併設されている自然の中にとけ込んだ大きな露天風呂に入るのです。そのお湯は白く濁っています。こういうイメージを頭の中で想像していくと、無意識のうちにとてもリラックスしたいい気分になってくると思います。まず心地いい自然の中を歩くということで癒されるわけですし、その上に自然に囲まれた露天風呂に入ることで、精神、肉体ともにもっとリラックスできる、癒し感を味わえるわけです。
このようなイメージ・トレーニングは、最初は私たちがクライアントさんに語りかけながら、つまり他者誘導によって行っていきます。そして、それに慣れてきたら今度は自己トレーニングを重ねて、最終的には自分でそのようなイメージを自己誘導できるようにしていくわけです。実際には山奥の温泉に毎日行くのは不可能に近いでしょう。しかし、イメージの中では毎日行くことだって可能なのです。
前にも説明したように、そのイメージを持つだけで、無意識下で脳はそのイメージに反応するわけですから、毎日温泉に入るプラスのイメージを持つようにしていれば、それだけで脳や身体はリラックスしたり癒されたりするのです。そして、自分の身体や精神がいいコンディションなっていく結果として、自分の免疫力や精神的な耐久力も向上してくるわけですから、ストレスの多い現代社会でも心身ともに健康な状態をキープすることができるようになるのです。
実際、山奥の温泉に限らず、自分でいちばんリラックスできる、癒し感を得ることができるシチュエーションを作って、1日1回、それがムリなら2日に1回でもそのイメージでトレーニングを行えれば、ストレス解消ということでは、かなりの効果が期待できるのです。また、このイメージ・トレーニングが身に付いている人は、もう少し高度な心理療法といえる自律訓練法というものにもスムーズに入っていけるというメリットがあります。
次回は、その自律訓練法についてお話していきましょう。
青山カウンセリング・ルーム TEL&FAX03-3406-8183 http://www11.ocn.ne.jp/~aoyama/
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