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今回お話するのはイメージ・トレーニングと関連性があるといえる自律訓練法です。この自律訓練法というのは、現在日本ではリラックスする、あるいは集中力をつける、学力向上などにいちばん有効な療法だといわれているものです。これは自己暗示をかけて、通常は自分でコントロールできない自律神経をある程度自分でコントロールしていこうという療法です。ですから、いきなり自律訓練法をマスターする前に、あるイメージを思い浮かべることで自分自身をリラックスさせるイメージ・トレーニングをマスターしていれば、非常にスムーズに自律訓練法に移行していくことが可能なのです。実際私のカウンセリングルームではクライアントさんに自律訓練法のトレーニングに入る前に、イメージ・トレーニングから入っていくことをすすめています。
自律訓練法の基本的な考え方というのは、基本的には認知(行動)療法やイメージ・トレーニングと似ています。ストレスは基本的に潜在意識と顕在意識の葛藤から生まれる、というお話を以前にしましたが、いままで説明してきた認知(行動)療法やイメージ・トレーニングが顕在意識に働きかけて、顕在意識の心の筋肉というか柔軟性を高めてストレスに対しての抵抗力をつけましょうという療法でした。自律訓練法は、簡単に言えば潜在意識に働きかけて潜在意識の心の筋肉を鍛えましょうということなのです。
しかし、潜在意識は顕在意識と違って、自分の意志ではコントロールできないものだというお話をしたはずです。自律訓練法というのは、ある方法によってその潜在意識の蓋をこじ開けて、自分の潜在意識に自己暗示をかけていこうというやり方なのです。ですから、顕在意識に自己暗示をかけるイメージ・トレーニングよりも、より高度なテクニックを身につけることが必要になってくるわけです。ただし、顕在意識と潜在意識の比率は1:9ですから、顕在意識に働きかける認知(行動)療法やイメージ・トレーニングに比べると、自律訓練法によって生まれる効果ははるかに大きいことが分かっていただけると思います。具体的にいえば、ちょっと宗教的になってしまいますが、「言霊(ことだま)」という、つまり言葉で念じることによって、その言葉が潜潜在意識の中にしみ込んでいくわけです。そして、その暗示によって、顕在意識の療法だけではとても考えられない大きな成果を生むことが可能になってくるのです。
たとえば、英語がすごく苦手でコンプレックスを持っている人がいたとします。その人は「どーせ今から英語を習っても身につかないし、外国人と話ができるようになるまでにはすごく時間がかかるに決まってる」と、顕在意識が自己判断をしてしまっているわけです。そこで、自律訓練法を使ってその人の潜在意識の中に「英語の勉強は楽しい」、「外国人と楽しく話ができている」といった自己暗示を入れてしまうと、その人は「ちょっと本気で英語の勉強をしてみようかな」と、心の底から思えるようになるのです。
また、病気の人に対しては「日に日に(病気が)良くなっていく」という有名な暗示文があります。フランスのエミール・クエという薬学博士は、なんとこの「日に日に良くなっていく」という暗示文だけで、薬を使わずに患者を直してしまったという有名な事実があります。同じくうつ病の人は、「日に日に良くなっていく」という言葉をかけても、「そんなことはない。もう私はダメだ」、「出世から遅れた。本流から外れた」、「会社に行ってももういいポストはない」、「あいつはアタマがおかしいヤツだと思われている」などいったネガティブなことばかり考えてしまっていて、「日に日に良くなっていく」といったことなどは考えられないわけです。
そこで、「日に日に良くなっていく」という言葉を自律訓練法によって、潜在意識の中に自己暗示として入れていくわけです。そうすると潜在意識が本来持っている9の力を使って治療ができることになるので、非常に有効な療法といえるのです。潜在意識に暗示をかけるということでは、自律訓練法は催眠療法と似ているとも言えます。
青山カウンセリング・ルーム TEL&FAX03-3406-8183 http://www11.ocn.ne.jp/~aoyama/
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