悩み解決サークル

更新日2005729
連載コラム

探偵事務所事件簿 第14回
「謎の侵入者」
総合探偵社MISSION  CEO 今村啓一朗



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今回の依頼人は中下真由さん(仮名/18歳)。
大学進学を機に地元を離れ、1人暮らしを始めた。
アパートは学生専用で家賃も安く、大学から徒歩10分の距離。
セキュリティー完備のハイテク・・・とはいかないが、1階に大家一家が住んでおり、とても可愛がってくれる。


そのアパートで、不可解な事が起きているという。
最初に気付いたのは、引っ越してから約1ヶ月ほど経った頃だった。


「学校から帰ったら、ドアの鍵が開いてたんです。
その時は閉め忘れたのかな・・・程度にしか思わなかったんだけど、今考えたら、それが始まりだったんだと思います」


1.閉めた筈の鍵が、帰宅すると開いている(最初に気付いた時のみ)。
2.部屋に入ると、何も変わりはないが、無性に違和感を感じる。
3.タンスの中など、人が触った形跡が感じられる。
4.微妙に物の位置がずれている。
5.時々、下着がなくなる。
6.明らかパソコンをに触っている(読んでもいないメールが開封されて
  いた)
7.窓やドアの鍵を変えてみたが、一向に変わらない。
8.ベッドに入ると、違う人(男性と思われる)の匂いがする。
9.時々、誰かに見られている様な気がしてならない。


警察にも相談したが、下着泥棒では、という事で終わってしまったらしい。
パトロールはしてくれるものの、特に不審人物も見当たらず、他からの被害報告もないそうだ。

依頼人自身も金品が紛失した事はないというので、変質者、ストーカーの類ではないかと思われる。

入居する際、鍵を新しく交換した・・・と大家は言った。
今回の事を非常に心配しており、再度の鍵交換資金も負担、見回りまでしてくれるそうだ。
郵便物や宅配便も、今では大家が受け取って管理しているという。


我々はまず、依頼人の自宅に隠しカメラを設置した。
留守中に、何が起こっているのかを確認し、映像におさめるためだ。
出掛ける時にスイッチを入れてもらい、留守中すべてを録画する。


ところが、一向に何も起こらない。

依頼人に聞いても、カメラを設置して以来、何も起きていないという。

これまで毎日の様に起こっていたというのに・・・まさかバレたのか?

そんなはずはない。
最初に盗聴・盗撮調査をした上でカメラを設置し、内密に、念には念を入れ慎重にやってきた。

監視でもしていない限り、分かるはずがない。
取り付け当日、他の入居者が外出していたことも間違いない。


試しに数日、カメラを外してみる。
その途端、不可解な事が再び起きる。

友人を装い、当局の女性調査員を数日、部屋で張り込ませる。
その途端、何も起こらなくなる。


女性調査員も、誰かが見張っている様な気配も感じられず、まったく問題はないという。

なぜだ? 真由さんの被害妄想なのか・・・?

その時、

「まるで相手に、私達の行動が知られてるみたいですね」

と、張り込んでいた女性調査員が言った。

それだ!!

今回の事を知っているのは、我々と依頼人、そして大家。

大家は横山淳司(仮名/41歳)。
妻・横山恵美(仮名/41歳)と、息子・横山太一(仮名/20歳)の3人家族である。
夫婦でこのアパートの管理をし、息子は依頼人と同じ大学生だ。

防犯対策で鍵を変えたとしても、管理人には新しい合鍵を渡す。
3人なら、いつでも自由に持ち出せる。


もしや、息子の仕業では・・・?

私の推理を元に、今度は我々と依頼人のみで、調査を再スタートする。
もちろん、私の推理は話さない。余計な不安を掻き立てるからだ。
前回とは全く違う場所にカメラを設置し、絶対に分からない様に細心の注意を払う。


今度こそ撮ってやるぞ・・・!

翌日、映像を早速確認する。

依頼人が出掛けた1時間後・・・ 何も映らない。
2時間後・・・ 同じく、何も映らない。
3時間後・・・ やはり、何も映らない。

やっぱりダメか・・・。 そう思った次の瞬間。

「ガチャガチャ・・・」

来た!!

「・・・・・うそ・・・・・」

映像を見て、ショックを隠し切れなかった。

入って来たのは大家だった。
部屋中を歩き回り、散々物色した後、ベッドに入って匂いを嗅いだりしている。
あげくの果てに、そのまま昼寝を始めてしまったのである・・・さすがに我々も唖然とした。


「やだ、気持ち悪い!」

依頼人は、顔をそむけた。

大家宅から、女性の下着が複数発見された。
妻は泣き崩れ、何度も何度も謝った。


報告を受けた依頼人の両親は烈火の如く怒り、訴えてやると騒ぎ立てたが、
敷金など全額返金・引越資金支払という形で和解し、この事件は幕を閉じた。


「こっちに来て、まだ誰も知らなくて心細かった時、優しくして貰ったのは事実なんです。
風邪で寝込んだ時も、奥さんと一緒に毎日食事を運んでくれて・・・もう忘れます」


大家夫妻は離婚、現在は妻と息子がアパートの管理をしている。

犯行の理由は、いまだ分からない。
最後まで何も言わず、謝罪の言葉も本人からは出なかった。


その後の大家の行方は不明だが、同じ過ちを犯さないよう祈るばかりである。



今村啓一朗 福岡県出身 37歳

中小企業における民事訴訟のあり方や、それに君臨する弁護士行政に疑問を感じ、自ら経営していた会社代表を辞め、探偵業界に身を投じた。民事事件に関する情報の収集と訴訟に関する証拠収集の技術を習得。業界最大手の探偵養成学校の講師のスペシャリストとして名を馳せる。
今村自ら機密調査機材として開発してきた機材は数知れず、製造した機器は、今や探偵七つ道具となっている。これからの犯罪防衛は自分で守らなければ・・自ら開発した機密調査機器をセキュリティ機器として考案。日本に唯一、一台しかない特殊調査車両の設計から開発まで自ら製造し2001年4月防犯機器会社設立に貢献した。
平成14年1月、福岡に総合探偵社MISSIONhttp://www.themissions.jp
を設立し全国でNO1の実績はTV・ラジオ・雑誌でなど数社に渡って紹介された。
平成16年3月 MC探偵学校http://themissions.jp/school/
を設立し現在までに多くの探偵を世に送り出して来た。
現在、総合探偵社MISSION MC探偵学校を始め 個人審査事業会社や
インターネットソリューションの開発・企画会社も経営。
                  (2005.1現在)

総合探偵社MISSION 0120−755−340  http://www.themissions.jp