悩み解決サークル

更新日20051031
企業管理のお悩み解決! プロ直伝の管理術

第2回 「管理の基盤」

マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社
取締役副社長 中山和治



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前回は管理をより円滑かつ確実に行うために、関連する各部門の役割、働き、対応などをマニュアル化して連携を強化する、いわゆる管理フォーメーションの話をしましたが、今回は管理ということの基盤となる、管理の対象を具体化する話をしたいと思います。

皆さんの会社でも"○○管理"、もしくは"△△△マネージメント"などという言葉をよく聞くと思います。例えば、SCM(サプライ・チェーン・マネージメント)という言葉があります。

このSCMについて簡単に解説すると、製造業を代表される、市場に物を供給するビジネス形態において「仕入先→自社の工場→顧客(供給先)」という流れを、その製品の供給(サプライ)流れ、つまりチェーンとして捉え、過剰在庫、欠品(在庫不足)、納期の遵守などの問題に取り組む管理マネージメントのことを言います。

つまり、簡単に言い換えると「調達→生産→出荷」という商品の流通をより無駄なく、より効率的/効果的に行う管理方法だと理解してください。

みなさんがSCMという言葉を聞くと最新のものに思えるかもしれませんが、「調達→生産→出荷」という流通の問題は、いつの時代においてもまたどこの国であっても、製造業であれば同じ悩みは抱えていたはずです。

こと日本においては、右肩上がりのバブル経済の時代では、作れば作るだけ物が売れたので、過剰在庫の問題を気にする必要もありませんでした。しかし、景気が冷え込んでいる今の時代はそういうわけにはいきません。過剰生産した製品は半年で死蔵在庫となり、製品の価値は時間の経過とともにどんどん下がってしまうという時代です。つまり製品の寿命が短くなっている時代なのです。今はいつか売れるからとりあえず在庫にしておけというのは、管理マネージメント上は致命的な失敗を招く原因を生むわけです。


そこで、そういった製品流通の問題に取り組む方法論として"SCM"という考え方がアメリカで考案されました。

しかし、"SCM"についての本をいろいろ読んだ方はお気づきかも知れませんが、どの本を見ても何をどうするのかが具体的に説明されている本はありません。あくまでも"考え方"が説明されているのみなのです。

そんなことから、経営陣から"うちでもSCMをやれ"と言い渡され、何をどうしていいのか具体的にイメージが無いまま、"SCM"と呼ばれるシステムの導入だけをとりあえずやってみたという、企業内のマネージメント・リーダー的な方は少なくないと思います。


そこで、"SCM"の考え方を導入して、生産、出荷を効率よく行うこと、すなわち原材料や製品在庫を最適な水準に保ちつつ、納期遅れを起こさないよう管理するということについて簡単に説明しましょう。

まず、その企業がさまざまな材料からさまざまな製品を生産しているメーカーであり、かつその製品を一般市場へ供給するために小売店へも出荷している一方で、その製品をある製品の部品として使っているメーカーにも同時に納入しているとします。

その生産と製品の流れを以下の図で示します。



このように図にして見ると、オレンジの供給(サプライチェーン)とブルーの供給(サプライチェーン)では、その管理のスタイルが変わってくることが理解できると思います。
この図でいえることは、一般市場向けは仕入れ業者(卸業者)から一括で受注し、納品するわけですが、メーカー向けではA社、B社、C社からそれぞれ別個に受注し、納品するわけです。

そこで、一般市場向けとメーカー向け、それぞれの特徴を捉えた上でどのような供給モデルを作り上げるかが、"SCM"の第一歩になるわけです。

そして、管理のポイントとして以下のような項目があげられます。

1.管理する要因(インディケーター)は:@在庫、A納期遵守
2.管理する対象(オブジェクト)は:@ブルーサプライチェーン、Aオレンジサプライチェーン
3.それぞれの対象について、それぞれの要因を監視する場合の良し悪しを判断する基準
  *ブルーの在庫基準は100、オレンジの在庫は50など。
4.決定した基準と実際の状況が食い違っていないかなどを確認する手法
  *プッシュ型情報提供(問題が起きたらシステムが自動的に検知する)か、プル型提供(定期的に情報システムに確認させる方法)


こういった具体的な管理要因と管理対象、およびその基準を作成することが管理の基盤(マネージメントインフラストラクチャー)となります。

どうですか? "SCM"について多少は分かっていただけたでしょうか?

みなさんの身の回りで○○管理、△△マネージメントと呼ばれるものがあれば、それが具体的にどんな管理対象に対して、どのような管理要因を、どんな基準で管理しているか? もっと言えば、それがどんな管理フォーメーション(第一回コラム参照)で行われているのかを、みなさんなりに確認してみてください。実際は、○○管理、△△マネージメントといいながらも、管理の基盤となるそういった事柄が、なかなか具体化されていないものが多いのではないでしょうか?




中山和治 プロフィール

1968年生まれ。1991年に外資系タイヤメーカーに入社し、IE(インダストリアル・エンジニアリング)をベースとした社内コンサルティング部門に所属。以後工場内のレイアウト、機械/作業研究、在庫保管場所設計、JIT方式導入、工場内物流のデザインをなど担当。
その後物流部門にて、国内物流設計、営業所在庫配置基準設計意などを担当。
1996年にSAPジャパンに入社。生産管理コンサルティング部門所属。2001年よりSCMコンサルティングマネージャーになる。

2006年4月:マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社を設立。
取締役副社長に就任。


<コンサルティング実績>
重工業、電気メーカー、電子機器メーカー、食品メーカーなど製造業システム導入および業務改革,システム活用改善など。
SCM(サプライチェーン・マネージメント)診断、ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)活用診断の実施。

<マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社のサービス>
ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)の有効活用を基本とした、コンサルティングサービスを展開します。
日本企業のERP導入に関して、その効果を見出せていないという不満を解消すべく、ERPの導入目的、人材教育、実際の活用状態、改善ポイント、改修プロジェクトの仕切りなどを請負うコンサルティング会社です。
今後日本における製造業のサプライチェーンを中心としたマネージメント方法の課題に着目し、コンサルティングを行っていきます。

<会社概要>
名称マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社
所在地東京都中央区日本橋富沢町5-3 I.B日本橋ビル303
資本金1000万円
代表代表取締役社長 巻幡雄毅
事業内容:経営コンサルティングを中心とした会社運営、および業務の合理化、効率化のサポート