悩み解決サークル

更新日200661
企業管理のお悩み解決! プロ直伝の管理術

第13回 「在庫管理上の数字の見方」

マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社
取締役副社長 中山和治



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今回より各管理業務の具体的なお話をしてまいります。その1回目としては、在庫管理に焦点をあて、管理上の数字の見方(読み方)について触れてみたいと思います。

在庫管理と一言で言っても、製造業でいえば「製品の在庫」、「半製品(中間品)の在庫」、「材料(原料、資材)の在庫」など幅広い分野におよびます。しかし、どこのポイントに焦点を当てたとしても、"欠品状態による次プロセスの停止"を防ぐために、あらかじめ十分な用意として置いておくのであることは同じです。

ここの在庫の欠品はB工程を止めることになる!

ごく簡単な図で表せば上のような表現になりますが、実際的にはA工程の人が欠品を出すことはB工程の人に迷惑をかけることになります。つまり欠品すれば"A工程の人はB工程の人から怒られる"のです。

そのような関係にあるため、通常在庫の少ない状態より、どうしても多い状態になる傾向が出てきます。仮に在庫が多くなることで誰かが文句を言うとすれば、それは会社の経営陣のみで、通常の作業を行っている現場では、過剰在庫について本当に問題意識を持っている人は非常に少ないものです。
ゆえに、3年前に一度の欠品でひどく叱られたなどの経験によって、常に必要以上に在庫が増えているものなのです。
ただし、会社の財務状態から考えると、同じ利益を上げるならば、在庫は少ないに越したことはありません。また、少ない在庫を維持しながらプロセスを遂行していくには、いろいろな技術向上を求められますので、会社の生産/物流管理能力が高いということもいえます。例えばそれは機械が故障してA工程が停止した場合、B工程がその影響を受けるのは在庫数量に依存するようにも思えますが、在庫が少なくても、機械の修理時間が短ければ、B工程の停止は防げます。


さてここで、在庫の数字の見方の話にはいりましょう。
通常在庫管理をする"対象物"には、"品目コード"が付けられており、それがどこにいくつあるかが分かるようになっていると思います。
つまり、管理システムであれ、台帳であれ、それぞれの管理の媒体(方法)は様々でしょうが、おおよそ下記のような数字を表しているのが一般的だと思います。


在庫数量情報

在庫数量情報


この在庫数量という数字の見方(読み方)について解説してゆきます。

上記の表は、3つの品目の現在の庫数量を各倉庫別に表しています。さてこの3つの品目は合計数量を見るとその数字が大きく違いますが、どのように読み取ればいいのでしょうか?
当然この情報だけでは、B001が多くA001が少ないとしか見えません。しかし、これは絶対数量での話しで、管理上の良し悪しを判断することはできません。

そこで相対的にこの3つを精査して、過剰在庫がどれなのかをつかんでいきましょう。
それには例えば需要数量の情報が必要なのです。


需要数量情報

需要数量情報


この情報と在庫数量情報を付き合せることによって、現在の在庫量の需要に対する適量性、つまりはじめに触れた次のプロセスに必要な量に対して、実際にはどのくらいの量をあらかじめ用意されているのかがわかります。

それを知るために、在庫数量/需要数量で表してみましょう。

在庫/需要数量(相対在庫)※需要数を月単位とした場合下記は在庫月数となります

在庫/需要数量(相対在庫)


こうしてみると、一番在庫が多いのはC001の5.0ヶ月で、一番少ないのはB001の0.3ヶ月であることがわかります。しかもC001はB001の15倍以上の在庫があるということもいえます。

いままで説明してきたことは非常に基本的な手法といえますが、単に在庫量を見るのではなく、それに対して比較する情報を付け加えることで在庫量の判断基準が変わってくるということがご理解いただけると思います。

このような方法で、いろいろな角度から物事を判断することでさまざまな現象や問題をより正確に把握することができます。

まずはこういったごく基本的なやり方で皆さんの会社の在庫情報を分析してみてください。在庫の問題が、いままで考えていたものとは違って見えるかもしれません。




中山和治 プロフィール

1968年生まれ。1991年に外資系タイヤメーカーに入社し、IE(インダストリアル・エンジニアリング)をベースとした社内コンサルティング部門に所属。以後工場内のレイアウト、機械/作業研究、在庫保管場所設計、JIT方式導入、工場内物流のデザインをなど担当。
その後物流部門にて、国内物流設計、営業所在庫配置基準設計意などを担当。
1996年にSAPジャパンに入社。生産管理コンサルティング部門所属。2001年よりSCMコンサルティングマネージャーになる。

2006年4月:マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社を設立。
取締役副社長に就任。


<コンサルティング実績>
重工業、電気メーカー、電子機器メーカー、食品メーカーなど製造業システム導入および業務改革,システム活用改善など。
SCM(サプライチェーン・マネージメント)診断、ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)活用診断の実施。

<マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社のサービス>
ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)の有効活用を基本とした、コンサルティングサービスを展開します。
日本企業のERP導入に関して、その効果を見出せていないという不満を解消すべく、ERPの導入目的、人材教育、実際の活用状態、改善ポイント、改修プロジェクトの仕切りなどを請負うコンサルティング会社です。
今後日本における製造業のサプライチェーンを中心としたマネージメント方法の課題に着目し、コンサルティングを行っていきます。

<会社概要>
名称マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社
所在地東京都中央区日本橋富沢町5-3 I.B日本橋ビル303
資本金1000万円
代表代表取締役社長 巻幡雄毅
事業内容:経営コンサルティングを中心とした会社運営、および業務の合理化、効率化のサポート