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更新日
2006
年
8
月
2
日
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第16回 「需要予測について」
マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社
取締役副社長 中山和治
前回は需要予測についてお話をしました。今回は、これと密接な関係にある生産形態について話をしていきます。
需要を見込んであらかめ生産を行っておいて、受注があれば即顧客に商品(製品)の引き渡せができるようにしておく生産形態を"見込み生産"と呼びます。一方、これとは対照的な生産形態としては、"受注生産"と呼ばれる形態があります。受注を受けてから生産活動を行い、顧客へ引き渡す形態です。
この受注生産については次回に触れることにしましょう。
さてこの見込み生産ですがその業務プロセスの大まかな概要を下記に表してみます。
@販売見込み(販売計画)
あくまでも
見込み生産
である以上、最初に"どのくらい売るのか"を設定しなければなりません。これが基本になって、すべての生産活動が始まるのが原則です。
ただし、どんなに見込み生産に精通した人だとしても、将来を正確に見極められる人などはいないはずです。それでは当初の見込みが狂って、結果として出荷とのスレが出てしまうとどのようなことになるのでしょうか?
その1:見込んだ以上に売れてしまった。
=>欠品になる。売りたくても物がない。
販売機会損失で、場合によっては競合他社の製品に顧客が移ってしまう。
その2:見込んだほど売れない。
=>残りは在庫になる。これが近い将来売れる
保証があれば大きな問題にはならないが、ほとんどの場合その限りでは
ない。品質保証期限切れ、旧式化などにより廃棄になる恐れがある。
A生産計画/B購買計画
一般的にあるべき姿としては、@の販売見込み対応して生産計画を立案することがのぞましいのです。しかし、企業によっては見込み生産であるのに販売見込みが存在しておらず、生産計画から立案している場合があります。
正確に言えば、販売計画(販売見込み)を生産計画立案に利用していないということなのです。
なぜあるべき姿として、販売見込みから生産計画を立案すべきなのか?
理由は、
なぜその生産計画が必要なのかの根拠を説明できないからです。
下記の図で説明すると、
上の図で
「在庫」
を中心に考えると、
「需要」
は在庫から出てゆく要因と考えられます。また
「生産」
は、
「在庫」
を補うための入ってくる要因となります。
つまり、なぜその時期にその生産を行うのかは需要から説明できる必要があります。そのためにも、販売見込みから生産計画を立案しているほうが管理上望ましいのです。
さてその生産計画ですが、
上記の図「見込み生産プロセス」ように、販売見込みに対しての現状の在庫状態を考慮して、"いつ、何を、どのくらい作るのか"を立案する計画手法を「MRP(Material Requirement Planning/資材所要量計画)」と呼んでいます。
そしてこの手法をシステム化し、原材料の購買計画まで立案することが、近年では一般的になってきています。ただし、もちろん@の販売計画が正確でないことを考慮する意味で、安全在庫をどのくらい保っておくかもこの中で考慮しておく必要があります。
ここで「購買計画」も生産に使用する材料の必要性を需要と捕らえると、
と表現できます。
つまり見込み生産の場合、
「販売計画」
をしっかり立案すれば、それをベースに
「購買計画」
まで立案することが可能になるわけです。
これは単に"便利"ということではなく、
生産管理の計画段階で、「購買」「購入」「生産」「在庫」「出荷」といったすべての活動が統制されていることになります。
例えば、仮に、
"販売の言うことは当てにならないから生産計画は勝手に立案して、どこにも公表していない"
などという状態があったら、購買は
"何をいつどのくらい購入するか?"ということについてまた別の勝手な計画を立てることになり、結果的に無駄を生むことになります。
1つの企業の活動ですから、部門の壁を取り除いて1つの計画に基づいて活動することが当たり前の話ですから、上記のことができていて当然と思えますが、実際はなかなか実現できていない企業が多いのではないでしょうか?
C購入/D生産
@〜Bのプロセスで計画したものを実際に購入、生産という形で実施することになります。当然ながら
"ジャスト・イン・タイム(必要なときに必要なものを必要な分だけ)"
で活動できれば理想的ですが、計画段階でどこまで正確に予測できるかによって、大まかに今週という意味の発注なのか、ある特定の日付を指定できるのか、または時間指定で納品させるのかなどと、購入する際に先方に提示する納期が変わってきます。
ただ計画は常に変更になるものです。いくら計画段階で細かい時間を指定しても、実際にその計画が変更になってしまうのであれば意味がありません。
生産の実施段階で材料がないのではどうにもなりませんので、ある程度は前倒しで購入しておく必要があります。これをどこまで実際に使用する時間、日付に近づけることが出来るかが、ジャスト・イン・タイムの難しいところです。
これが出来れば、少なくとも工場内の在庫は論理的には極限まで減らすことができるはずです。
E在庫
ここでいう"在庫"とは、先ほどの生産過程の"在庫"ことではなく、製品の"在庫"のことです。
論理的には生産過程の在庫はジャスト・イン・タイムという方針で何とか改善できます。
しかし
製品の在庫は見込み生産という形態上、完全に無くすことは出来ないわけです。
業種や市場によっても若干話しは変わりますが、基本的に在庫の品揃えの良さが企業の販売力ということもいえます。ただ、売れない在庫は無駄な在庫ということになりますので、そのあたりのさじ加減でどの企業も悩んでいることと思います。
ただし、ここではっきり言っておきたいのは、"在庫=無駄"ではないということです。見込み生産は在庫あっての商売です。つまり、在庫を適正化するということが大事なのです。
F受注/G出荷
実際に顧客から注文が来たときに在庫があって始めてその受注に対応することができ、売上げにつながります。つまり、受注時に在庫があるかないかが営業局面で非常に重要なことになります。
販売計画どおり受注があり、その計画に従って生産されてさえすれば、在庫は確実にあるのです。しかし通常は計画通りに行かないものです。もっと複雑な状況を想定すれば、生産された製品は全国各地に在庫配置さているシステムの場合、たとえ全体としての販売計画と生産計画が適正で実際の受注が計画通りに来たとしても、全国各地の受注数量と在庫配置とにずれがあれば、"ここになくて、あそこにある"という状況が生まれてきます。
よって受注時に在庫確認をするということが重要になるのです。
また在庫確認では、在庫確認→予約の流れで基本的に予約できたものから出荷されていくべきでしょう。
ただし、それにも優先順位付けの考え方をしっかり持っておく必要があります。やはり大きな取引をしている顧客を後回しというわけには行きませんよね。担当者の個人的な判断にならないように、しっかりシステム化すべきと思います。
ここで見込み生産の重要な管理ポイントについてまとまますと、
■ 販売見込みの精度向上
■ 販売見込と生産/購買計画との整合性
■ 安全在庫の適正
■ 製品在庫配置の適正
が見込み生産の管理ポイントとしてあげられるでしょう。
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中山和治 プロフィール
1968年生まれ。1991年に外資系タイヤメーカーに入社し、IE(インダストリアル・エンジニアリング)をベースとした社内コンサルティング部門に所属。以後工場内のレイアウト、機械/作業研究、在庫保管場所設計、JIT方式導入、工場内物流のデザインをなど担当。
その後物流部門にて、国内物流設計、営業所在庫配置基準設計意などを担当。
1996年にSAPジャパンに入社。生産管理コンサルティング部門所属。2001年よりSCMコンサルティングマネージャーになる。
2006年4月:マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社を設立。
取締役副社長に就任。
<コンサルティング実績>
重工業、電気メーカー、電子機器メーカー、食品メーカーなど製造業システム導入および業務改革,システム活用改善など。
SCM(サプライチェーン・マネージメント)診断、ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)活用診断の実施。
<マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社のサービス>
ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)の有効活用を基本とした、コンサルティングサービスを展開します。
日本企業のERP導入に関して、その効果を見出せていないという不満を解消すべく、ERPの導入目的、人材教育、実際の活用状態、改善ポイント、改修プロジェクトの仕切りなどを請負うコンサルティング会社です。
今後日本における製造業のサプライチェーンを中心としたマネージメント方法の課題に着目し、コンサルティングを行っていきます。
<会社概要>
名称
:
マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社
所在地
:
東京都中央区日本橋富沢町5-3 I.B日本橋ビル303
資本金
:
1000万円
代表
:
代表取締役社長 巻幡雄毅
事業内容:
経営コンサルティングを中心とした会社運営、および業務の合理化、効率化のサポート