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1:00 百人町
大熊商会の地下室・・
フォンは椅子にくくりつけられている
「ヨウに言っといたはずだぜ、おまえはぶっ潰すってな。それなのにこのガードかよ。甘すぎんだよ」
ヒサキはフォンを見据えてそう言った
「お前がアゲハ売りさばいてんのは分かってんだ。お前にアゲハ渡してんのがいるだろう?
そいつはどこのどいつなんだ、アアッ?」
ヒサキは恫喝するが、フォンは無視したままだ
「仕方ないか・・」ヒサキはそう呟いてクスッと笑った
手元にあったジャックナイフをいきなりフォンの右の太ももに突き立てた
「グォーッ」フォンはたまらずうめき声を上げる
ヒサキは突き立てたナイフをゆっくりと時計回りにまわしていく
フォンの太ももから血が噴出す
「言わないなら、言わないでいいさ。でもフォンさんよ、ひとつだけ言っといてやる・・吐かなきゃ時間かけていたぶるまでだ」
1:30 六本木
Xに電話がつながらないことに痺れを切らした男は「E」と表示された番号に電話をかける
「はい」低い声が聞こえたきた
「私だ。フォンに連絡がつかない!どうなってんだ。三木はどうなってんだ。まさか、私の正体がバレるようなことはないんだろうな!」男はヒステリックにわめきたてる
「ここには連絡してこない約束だったはずだが・・」相手は冷静にこう言った
「それは分かってる。でも、あんたの仕切りが悪いから連絡したんだ!私の正体がバレたらそれこそ、あんたが約束を破ったことになるっ!分かってんのかぁ!」男の声のトーンはさらに高くなっていく
「それは心配ない。フォンが誰かの手に落ちたとしても、奴は吐かない。それが私たちの血の掟だからだ・・。三木はスマイルのこと知っているが、あなたのことは知らない。もう2時だ。安心して眠ることだな」電話は一方的に切られた・・
「もしもし?もし・・切りやがった。馬鹿にしやがって!」
男はテーブルの上にある花瓶を思い切り叩きつけて割った
1:45 百人町
フォンの左の太ももにナイフが突き立てられた時、吊るされていた三木が意識を取り戻した・・
「た、助けてください。私は何も、何もしてないっ」三木は弱々しく呻いた
「あんたのことを忘れてたよ」ヒサキはそう言いながら三木に近づき、縄をほどいて彼を下に降ろしてやる
その瞬間だった。グホッという音がしたと思うと、フォンが大量の血を口から噴出した
「しまった!」ヒサキフォンに走りよると、口を無理やり開けて中に手を突っ込む
口の中に敗れたカプセル破片があった・・
何かの時のために持っていた自殺用のカプセルなのだろう
ヒサキに縛り上げられる直前にそれをフォンは口の中に入れておいたのだ
助けがくることを期待して、ヒサキの拷問に耐えていたが、いつまでも耐えられないと悟り、ヒサキが目を離した瞬間にカプセルを自ら噛み砕いたのだ
「クソッ、これで振り出しかよっ。せっかくアゲハのルートが分かりかけてたのによ!」
ヒサキは我を忘れたかのように叫んだ
「それ、アゲハっていう名前ではありません。スマイルです。7―MMO―DIPと呼ばれる新型のドラッグですよ。今までのドラッグとはまったく違うタイプの新種のものなんです」三木はおどおどしながら言った・・
「何であんた、そんなにこのドラッグに詳しいんだ」とヒサキ
「それは・・このドラッグを作ったのが僕だからです」三木はヒサキを見据えてそうはっきりと言った
2:00 百人町
大熊商会の前に、4台の車が止まった
中から屈強な男たちが現れ、建物の中に入っていく
男たちはそれぞれ小型のマシンガンを手にしている
階段を一気に駆け下りて、地下室のドアを蹴破る
そこにはヒサキと三木の姿はすでになく、フォンの死体と気絶した中国人たちのみが残されていた
「人?已?不在(奴らはすでにいない)」一人の男がインカムに向かって叫んだ
男はさらに「洪死了(フォンは死んでいる)」と言った
少し時間が経って、地下室に一人の男が入ってきた
精悍な顔つき、シャツの上からも分かる鋼のような身体・・
男はフォンの亡骸の前に来ると座り込んで、フォンの髪を撫でた・・
「兄弟?,?何死了(兄弟よ、何故死んだ)」
そう呟いて、男は慟哭した
「必定?仇(必ず復讐するのだ)」
男が言いながら、立ち上がった
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